-
慢性連日性頭痛
2023.05.28こんばんは。院長のKです。
最近、外来患者さんに慢性連日性頭痛の方が多くなってきました。
慢性連日性頭痛とは、「1日に4時間以上の頭痛が1ヶ月に15日以上あり、それが3ヶ月以上持続する」と定義されます。
慢性連日性頭痛には
①変容性片頭痛
②慢性緊張性頭痛
③新規発症持続性連日性頭痛
④持続性片側頭痛
があります。1回の発作が4時間以上のため、群発頭痛は含まれません(群発頭痛は頭痛発作が3時間を超えない)
①は慢性片頭痛と薬物過多に伴う頭痛の両者が含まれます。薬物過多に伴う頭痛=慢性片頭痛ではなく、慢性片頭痛の一部、あるいは大部分に薬物過多に伴う頭痛が有ります。
薬物過多に伴う頭痛は、すなわち薬物使用過多の存在が必要で、具体的には、トリプタンを1ヵ月に10日以上、鎮痛剤を1ヶ月に15日以上(しかし、市販薬などの複合成分鎮痛剤だと10日以上)が3ヶ月以上続いている場合を指します。薬物乱用頭痛とも呼ばれますが、この呼び方だと違法薬剤の常習者みたいに思われるため、薬物使用過多に伴う頭痛となりました。
お気づきでしょうか?薬物使用過多でネックになっているのは、日数なんです!錠数では無いのです。
例えば、、
月曜日から日曜日まで7日あります。
頭痛が月、水、金の3日間強く、3錠ずつ内服してしまった。この場合1週間で9条内服してしまったことになります。
一方、頭痛が毎日あって1日1錠だけ鎮痛剤を内服しました。1錠だからまぁいいや。1週間で7錠内服したことになります。
どちらが薬物使用方に伴う頭痛になるでしょうか?一見、9錠内服してしまった方がへ薬物使用過多と思いがちですが、実は毎日内服した7錠の方が薬物使用過多になるのですへ、すなわち、薬物使用過多は、錠数ではなく、日数に依存するのです。
こうなると抜け出すのは20%程度と言われていました。しかし、近年エムガルティ、アジョビ、アイモビーグといった抗CGRP関連製剤の発売により、かなりの患者さんが薬物過多に伴う頭痛を克服できる様になりました。
目標は6ヶ月ないしは12ヶ月。頭痛の来ない生活を頭が覚えて、トリプタンや鎮痛剤を使わない生活を6ヶ月ないし、12ヶ月行うことで、予防をやめても頭痛の頻度が激減してます。それを成し遂げるのがこの注射製剤の役割なのです。
②の慢性緊張性頭痛は、小児の不登校にも関連してる頭痛です。社会不安障害性頭痛、すなわち思春期頭痛の一種で鎮痛剤が効かない頭痛です。
③の新規発症持続性連日性頭痛は、コロナ感染後遺症なども含まれます。
最新の記事
- 2024年10月06日
肩関節周囲炎について - 2024年10月01日
小児頭痛の勉強会 - 2024年09月22日
オンライン診療について - 2024年09月14日
毎日新聞📰2024/9/11 - 2024年09月14日
MRIの音について