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  • ラスミジタンコハク酸塩 レイボー®︎

    2022.04.29

    こんにちは。雨模様の空です。久しぶりの休息で時間ができたので、ブログを書いてます。片頭痛治療の改革期、さまざまな薬剤が登場します。「予防療法」も「急性期治療療法」も。

    補足ですが、片頭痛の治療はこの「予防療法」と「急性期治療療法」の2つに大きく分かれます。

    頭痛外来で患者さんからよく聞かれるのが、「片頭痛って予防できるんですか?」です。

    「予防療法」は簡単に言うと片頭痛の頻度を減らし、また、片頭痛が起きても痛みの程度が低くなり、生活支障度を下げる事を目的とする治療です。トリプタノールやバルプロ酸、ロメジリンなどの内服薬とエムガルティ・アジョビ・アイモビークといった注射製剤です。

    「急性期治療療法」は片頭痛発作が出た時に、痛みを取る治療です。一般的なアセトアミノフェンやイブプロフェンなどの鎮痛剤と、片頭痛に強く関与するCGRPの発現を抑制するトリプタン製剤(イミグランやマクサルト、レルパックスやアマージなど)が有ります。

    「予防療法」である抗CGRP製剤に関しては前回書きましたので、本日は先日薬価が決定した次世代経口薬であるレイボー®︎について書いてみましょう。

    こちらは「急性期治療薬」になります。内服薬です。注射では有りません。レイボー®︎は一般名がラスミジタンコハク酸塩で、商品名としてレイボー錠50mg、同錠100mg2種類が有ります。通常の用法用量は「1100mgを片頭痛発作時に経口投与します。

    化学的な話では、今までのトリプタン製剤がセロトニン1B1D5-HT1B/1D)受容体に選択的に作用し、CGRPの発現を抑えてましたが、飲むタイミングを間違えると(早すぎても遅すぎても)、結局無効な事が多く内服の難しさがありました。それゆえ片頭痛で苦しむ患者さんが減りませんでした。また、効かない(タイミングの問題だけなのに)と思い何回も間違って内服する事で薬物乱用性頭痛を招き、慢性化してしまうという泥沼化に陥ってしまっているのが現状なのです。

    そして、これらトリプタン製剤は血管収縮作用がある為、脳心血管疾患の既往を有する患者には安全性の懸念から投与できない場合もあり使いにくい一面もありました。

    今回発売されるラスミジタンコハク酸のレイボー®︎は、血液脳関門通過性を有し、5-HT1F受容体に選択的に結合することにより、中枢での疼痛情報の伝達を抑制し、末梢では三叉神経からの神経原性炎症や疼痛伝達に関わるCRGPやグルタミン酸などの放出を抑制することで、片頭痛発作を急速に消失させる作用を示す選択的5-HT1F受容体作動薬です。近年の研究で発現のメカニズムが解明されてきたがゆえに、新たな作用機序のお薬が開発されたといえます。

    また、従来のトリプタン製剤と異なり血管収縮作用を示さないことから脳心血管系疾患を有する患者さんにも投与可能なので、使いやすくなると思われます。

    薬価は570.90円と従来のトリプタン製剤とほぼ同じです。海外では80.483$8692円)ですのでやく1/15であり驚きです。

    副作用は1番多いものでめまい感のようです。

    まだ発売前のため(発売日も未定)、実臨床での感想はお伝えできませんが、追ってご報告いたします。

    ※CRGPはカルシトニン遺伝子関連タンパク質であり、片頭痛時に発現される、悪の根源です。

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