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  • 子供と女性の頭痛

    2021.04.10

    こんばんは。院長のKです。

    今宵は東京警察病院の当直に来ております。脳卒中はほとんど来院されず、頭部外傷ばかりです。

    病棟で呼ばれて眠気が飛んでしまったので、徒然なるままに本日小児の片頭痛の子供が来院されたので、小児と女性の頭痛について掻い摘んで記します。

    小児の頭痛は精神的なものと誤解され、学校や家庭で不当な扱いを受けているケースがよく有ります。実は、小児も片頭痛が非常に多いのです。片頭痛は2歳後半頃より生じ、幼いために表現能力に差があります。小児にも緊張型頭痛がありますが、外来受診する小児の半数以上は片頭痛です。

    成人と少し異なる点は、持続時間が若干短い場合がある点や、前頭部では両側性であることが多い点です。

    小児の片頭痛の治療薬は即座にトリプタン製剤は使用せず、イブプロフェンやアセトアミノフェンを用います。

    予防薬にも抗ヒスタミン剤や抗うつ剤などを用います。

    慢性連日性頭痛により生活に支障が出る場合もあり、多くは片頭痛や緊張性頭痛であることが特徴です。

    一方で心理的社会的要因も関与していることも多く不登校につながります。朝に頭痛が多い起立性調整障害を伴う頭痛や午後に頭痛が多くなる脳脊髄液減少症の頭痛などがあります。

    良い子ほど多く、ストレスが引き金となっており、学校や家庭での心の葛藤を言語化できれば頭痛は軽減します。

    女性の頭痛

    女性の頭痛には若い頃は片頭痛が多く、閉経後など年齢と共に緊張性頭痛が多くなります。これは性ホルモンとの関わりが強いからです。

    生理周期の関係で頭痛が頻繁に来るため、急性期治療薬に頼りすぎて薬物乱用頭痛へと移行してしまいます。

    閉経後はエストロゲンが減少とこの時期の家庭環境のストレスなどで緊張性頭痛が増加します。更年期時には以前あった片頭痛が無くなる患者さんも多いです。

    生理に伴う頭痛は、生理前後も該当します。月経痛と間違われ片頭痛が見落とされるケースもあります。片頭痛と診断すれば予防薬を生理前後で投与して苦痛を抑えます。

    妊娠との関係もあるため、抗てんかん薬で片頭痛の予防薬であるバルプロ酸は使いにくい(胎児奇形を誘発するため)ため、妊娠の確認は必要です。使うとしても低容量のバルプロ酸を使用します。

    妊娠中はエストロゲンが上昇するため、片頭痛は激減し一時の幸せを感じられます。

    ライフサイクルにより頭痛は変化します。若年時は痛みをともなわない周期性嘔吐、次第に頭痛が生じ20-30歳台でピーク、更年期に移行するにつれ片頭痛は消失し緊張性頭痛となってゆきます。この時に適切な治療をしていないと薬物乱用性頭痛に陥ってしまうのです。

    頭痛に関しては頭痛外来のページを作成しています。いろんな頭痛が登場します。もう少々お待ちください。

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