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CT?あるいはMRI?
2021.08.11こんばんは。放射線検査技師のKです。
当院はCTとMRIがありますが、皆さんはCTとMRIの違いはご存知ですか?頭の輪切りの検査がCT、、、?では、どちらの装置がCTでしょうか?見かけはほとんど同じです。正解は上がCT、下がMRIです。これでは、CTとMRIの違いは分からないですよね。では、これは↓↓↓CTの画像でしょうか?MRIの画像絵しょうか?分かりましたか?正解はCT検査の画像です。ちなみにこの患者様は47歳です。病名はくも膜下出血!前交通動脈瘤破裂(この場所の動脈瘤は経験的に小さくても破裂しやすい!)です。脳動脈瘤。瘤の大きさは違えど、100人に1人はお持ちの脳動脈瘤。殆どは破裂してくも膜下出血になるまで無症状ですが、約10%に慢性頭痛や複視(物が二重に見える)、瞼が降りてきた(眼瞼下垂)などの症状が有ります。頭痛外来でMRIを施行し偶然に認めるケースも少なく有りません。さて、話を戻しますが、CTとMRIの違いは、簡単に言うとCTはX線(レントゲン、放射線)、MRIは磁気による撮影方法です。脳の検査でのCTとMRI。情報量はMRIのほうが何倍も上です。隠れ脳梗塞、脳動脈硬化の広がり、脳血管の情報はMRIでないと分かりません。しかし、撮影時間は15−20分と長いです。体内金属があると撮影不可です。CTでは出血、外傷に優れており、2分程度で撮影できるメリットがあります。救急にはもってこいの検査です。しかし若干の放射線被曝があります。その他、脳や脊髄、関節、膵臓や骨盤内臓器(男性、女性の臓器)はMRIが得意とします。一方で肺や腹部臓器はCTが得意分野となります。当院でもスタートして3ヶ月の中で、MRIにて膵臓癌や前立腺癌といった脳以外の異常所見(早期癌を見つけました。MRIが絶大な診療の拠り所になるのは脳神経ですが、骨盤内臓器(卵巣、子宮、前立腺)や脊髄疾患、また整形外科領域での小さな骨折、関節撮影などではレントゲンやCTでは判断できない所見を得ることができます。MRIの最大の利点は放射線被曝が無いということです。1日何回でも、毎日撮影しても何も害はありません。近年PET-CTという言葉を聞いたことがあると思います。何十万円もする全身癌検査です。放射線同位元素を注射しますので自他共に被曝します。これに代わるのがMRIのDWIBSです。被曝なしに全身がんの検索ができます。当院でも何人か検査しましたので、次回はこのDWIBSについてご説明しましょう。それでは皆さん、おやすみなさい。
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