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New face 片頭痛予防薬ゲパント
2025.11.01こんばんは。院長のKです。今は明日の大阪で開催される片頭痛のワーキングセミナーに参加するため、東京から移動し新幹線の車中です。
片頭痛の治療は2021年以降、抗体製剤であるエムガルティ、アジョビ、アイモビークといった抗CGRP関連注射製剤が登場し、それまでの反復性片頭痛、慢性片頭痛(ほとんどが薬剤使用過多による頭痛)に対して効果が限定的であった内服治療を凌駕する存在になっています。片頭痛の予防経口内服薬には、実は片頭痛のためだけに適応したものは無く、血圧や不整脈、てんかんやうつ病などに使用されるお薬を、少量濃度お借りすることで片頭痛予防に有効とされているものを処方しております。代表的な内服薬は、ミグシス(ロメリジン)、デパケン(バルプロ酸)、インデラル(プロプラノロール)、トリプタノール(アミトリプチリン)です。
ゲパント。リメゲパントである「ナルティーク」がまもな発売されます。片頭痛の予防薬です(痛い時の急性期治療薬にも使えますがそれは後ほど記します)。
ナルティークは、飲み薬のCGRP受容体拮抗薬であり、直接的に片頭痛の機序である三叉神経血管説におけるCGRP受容体に作用し、血管拡張や神経原性炎症を防止します。
注射製剤と比較して何が違うのか?実臨床で経過を見ないとわかりません。
ただ、あくまで私的な予測ですが、「柔軟性」「即応性」「One strategy」が特徴的な薬剤になるのではないでしょうか。
「柔軟性」では、予防したいときに予防したいだけ、as neededな予防薬です。随時型予防というのでしょうか。自分がこんなときに症状増悪、トリガー暴露期(睡眠不足、ストレス、月経関連など)に合わせて一時的に予防できるのです。要所要所で自分のオーダーメイド的予防薬ですか、、。
「即応性」では、注射製剤よりも効果発現時間が短い。つまり、症状が来そうなときにもすぐに使える。「予兆→すぐ対応→発作回避」が自分でコントロール可能。気圧低下や月経、睡眠不足、ストレスイベント、季節の変わり目など頭痛誘発因子の前に先手必勝で使え、予防薬でありながら状況に素早く反応するアクティブ治療と予想されます。必要な瞬間に即座に!反応型予防治療です。
「One strategy」では、発作予防と痛い時の急性期治療を一つの薬・一つの戦略で統合する新しいパラダイムです。リメゲパントは急性期発作時(頭痛で辛い時)にも、頭痛を止める役割を持つお薬です。血管収縮作用が無いため、従来のトリプタン製剤よりも不快感が無く使用できます。発作にも予防にも使える統合薬剤です。いわゆる攻め(発作)と守り(予防)をひとつにしたOne strategy型CGRP治療薬でしょうか。
以上はあくまで私見です。実際に使ってみないことには分かりません。薬価もまだ正式発表されておりません。新薬ですので長期処方できません(14日処方)。急性期使えるなら、頓服で10回プラスはOKか?
しかし、これから色々な治療薬が出てきて、頭痛診療が少しカオスになってしまわないか心配です。頭痛診療医として、スマートな使い方を見出し、患者さんへベストな提供をできることを目指します。
下記イラストは当院で作成した片頭痛予防のイメージです(無断転用はお控えください)。

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