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  • 片頭痛は将来の認知症と関係がある? ― 最近の研究からわかってきたこと ―

    2026.07.08

    みなさんこんにちは。院長のKです。本日は片頭痛と認知症の因果関係についてです。

    「片頭痛は若い女性に多い病気」「認知症は高齢者の病気」というイメージをお持ちの方は多いと思います。

    実際、日本では片頭痛患者さんは約840万人認知症患者さんは約453万人と推計されており、どちらも決して珍しい病気ではありません。一見すると関係のなさそうな2つの病気ですが、近年の研究では片頭痛が将来の認知症リスクと関連する可能性が報告されるようになってきました。

    片頭痛があると認知症になりやすい?

    これまでの大規模な疫学研究では、片頭痛のある方は、片頭痛のない方と比較して認知症を発症するリスクがやや高いことが報告されています。

    2022年に報告された約29万人を対象としたメタ解析では、

    • 認知症全体:約1.3倍
    • 血管性認知症:約1.9倍

    リスクが高いことが示されました。

    さらに、ノルウェーで行われた長期追跡研究では、

    • 前兆のある片頭痛
    • 月15日以上頭痛が続く慢性片頭痛

    では、血管性認知症のリスクがさらに高くなることも報告されています。

    もちろん、「片頭痛だから認知症になる」という意味ではありません。しかし、片頭痛が将来の脳の健康に影響を及ぼす可能性があることが少しずつ明らかになってきています。

    ★最近の研究ではアルツハイマー病との関連も

    2024年には、脳MRIと遺伝子解析(GWAS)を組み合わせた研究が報告されました。

    この研究では、

    • 片頭痛とアルツハイマー病には遺伝学的な関連が示唆されたこと
    • 片頭痛のある方では脳の深部にある「視床」が萎縮しやすく、その変化がアルツハイマー病との関連に関与している可能性

    が報告されています。

    まだ研究段階ではありますが、片頭痛と認知症との関係を考えるうえで非常に興味深い結果です。

    なぜ片頭痛と認知症が関係するのでしょうか?

    片頭痛発作では、脳の中で大きな血流変化が起こります。

    特に前兆のある片頭痛では、一時的に脳血流が低下し、その後に血流が増加します。また、CGRPという物質による血管周囲の炎症も起こります。

    慢性片頭痛(月に15日以上)では、このような血流変化や炎症が長年繰り返されるため、脳の細い血管への負担が蓄積し、将来的な脳血管障害や認知症につながる可能性が考えられています。

    さらに、脳血流の低下はアルツハイマー病の原因とされるアミロイドβの蓄積を促進する可能性も指摘されています。

    若い方でも注意したいこと!!

    前兆のある片頭痛では、「卵円孔開存(PFO)」という心臓の小さな穴が見つかることがあります。

    この穴を通って小さな血栓が脳へ流れることで、微小脳梗塞や脳卒中のリスクが高くなる可能性があります。

    特に45歳未満の女性では、

    喫煙

    経口避妊薬(ピル)

    が加わることで脳卒中リスクがさらに高くなることが知られています(16倍)

    そのため、片頭痛のある方には禁煙を強くおすすめしています。

     

    片頭痛は「痛みを我慢する病気」ではありません。そもそも病気ではなく、体質、疾患です。

    近年はCGRP関連薬をはじめとした新しい治療薬の登場により、多くの患者さんで頭痛を大きく改善できるようになりました。

    また、長年続く頭痛や慢性片頭痛の方、高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病をお持ちの方では、一度MRIで脳の状態を確認することも大切です。

    片頭痛を適切に治療することは、日常生活の質(QOL)を改善するだけでなく、将来の脳の健康を守ることにもつながる可能性があります。

    頭痛が続いている方や市販薬に頼る生活になっている方は、お気軽に当院へご相談ください。

    下記にイメージを添付します。

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