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MRI適合性分別マーク
2025.05.16画像診断部のKです。
今回はMRI適合性分別マークについてのお話しです。
患者さんにはほとんど馴染みがないかもしれませんが、医療用の体内埋め込み機器(動脈瘤クリップやステント・ペースメーカーなど)は、MRI検査に対する安全性(MR適合性)を明確にするために、MRI適合性分別マークのついているものがあります。
これは体内埋め込み機器がある場合、MRIが可能か不可能するためのもので、3つに分かれます。また、あくまで医療用であり、装飾品や入れ墨等は関係ありません。
- MR Safe:MRでは安全
検査は可能で、どのようなMRI環境下でも検査を安全に受けることができます。
例)シリコン・テフロン等の非金属
- MR Unsafe:MRでは危険
検査自体が不可となり、すべての環境下でMRI検査を受けることができません。
例)乳房インプラント挿入前のスキンエクスパンダー等
- MR Conditional:MRでは条件付き
検査は可能だが、MRI検査を特定の使用条件下でなら受けることができます。
使用条件とはMRI撮影条件の意味で、磁場強度(1.5テスラなど)、RFパワー(出力)、撮影時間等があります。
例)ステント・動脈瘤クリップ・MR対応ペースメーカー等
MRIを実施するにあたり注意するのはこのMR Conditionalです。
これはASTMというアメリカのMR適合試験(吸引力・発熱等)を受け、問題ないとしたものが、その試験時の環境・条件と同様(添付文書に記載がしてあります)でならMRI検査が可能とするものです。
ほぼ全ての体内埋め込み機器はこのMR Conditionalとなっています。
体内埋め込み機器の安全性は、適合試験の面からはこのように担保されています。もちろん安全性に関してはこれのみではなく、モード変更やパラメータ変更など、我々操作する側も安全に関しては最大限注意を払って検査にのぞんでいます。
これからも安全性を高め、事故のないように取り組んでいきたいと思います。
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