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  • 片頭痛予防注射製剤 アジョビ

    2021.10.09

    こんばんは。院長のkです。
    笑顔で帰れる頭痛外来を目指し、毎日たくさんの患者さん達がいろんな頭痛を運んで来られます。片頭痛、緊張型頭痛、群発、RCVS、解離、くも膜下出血、脳腫瘍。1週間の中に全てのパターンが入り、命切迫の頭痛も紛れ込む為、油断できません。最も難しいのはコロナ後遺症頭痛。良くならないんだもん。だけど、日々研鑽して何とかいち早く良くなるよう調べてます。
    本日の話題は、今のトピックである片頭痛治療!特に注射製剤は画期的です!
    当院でも早くも片頭痛の予防注射製剤エムガルティの使用患者さんが40名を超えました。
    同時に、当院では大塚製薬のアジョビも使用開始いたしました。うちの看護師が前回のブログで書いてますが、先週、使用可能となりました。現在既に2名の実績が有り、経過観察しております。エムガルティを使ってる人は殆どが無頭痛〜軽度頭痛となってます。
    マルチチョイス時代の片頭痛治療。
    今は世界では既に、この経口薬も治験が走ってます。

    https://www.nejm.org/doi/pdf/10.1056/NEJMoa2035908?articleTools=true
    【背景・目的】 片頭痛病態にカルシトニン遺伝子関連ペプチド (CGRP)が重要な役割を果たしていることが明らか になり、CGRP あるいは CGRP 受容体を標的
    にした薬剤が片頭痛急性期治療薬あるいは発作予防 (抑制)薬とし て開発された。Atogepant は経口 CGRP 受容体拮抗作用を有する低分子で半減期は約 11 時間である。本研究 は、同薬の片頭痛予防効果と安全性を検討した全米で施行された第 3 相臨床試験 (ADVANCE)である。
    【方法・結果】 2018 年 12 月~2020 年 6 月に施行された全米 128 施設で施行された多施設二重盲検プラセボ 対照臨床試験である。Atogepant 10, 30, 60 mg/日あるいはプラセボにランダムに割り付けられたが、その際 に過去の片頭痛予防薬の投与歴に従って層別化が行われた。4 週間のスクリーニングおよびベースライン期間の後 に、12 週間の二重盲検期間と 4 週間のフォローアップ期間が設定された。対象者は、18~80 歳までの 1 ヵ月あた りの片頭痛日数が 4~14 日の反復性片頭痛患者とした。主要評価項目は 12 週間の治療期間における 1 ヵ月あた りの片頭痛日数のベースラインからの変化とした。副次評価項目は 12 週間の治療期間における 1 ヵ月あたりの頭 痛日数のベースラインからの変化、同期間における片頭痛発作治療薬の使用日数のベースラインからの変化、1 ヵ月 あたりの片頭痛日数の 3 ヵ月平均がベースラインから 50%以上減少した割合、12 週時点での MSQ2.1 版の Role Function-Restrictive のベースラインからの変化、12 週時点での AIM-D (Activity Impairment in Migraine-Diary)の日常活動能力スコア (Performance of Daily Activities score)と身体的障害スコア (Physical Impairment score)のベースラインからの変化とした。2270 名のスクリーニングを受けた患者のう ち 910 名が登録され、873 名が薬効分析の対象となった。234 名が atogepant 10 mg に、223 名が同薬 30 mg に、222 名が同薬 60 mg に、214 名がプラセボに割り付けられた。ベースラインの 1 ヵ月当たりの片頭痛日 数は 7.5~7.9 日であった。12 週間の治療期間における 1 ヵ月あたりの片頭痛日数のベースラインからの変化は、 10 mg 投与群で-3.7 日、30 mg 投与群で-3.9 日、60 mg 投与群で-4.2 日、プラセボ群で-2.5 日であった。 プラセボ群との平均差は、10 mg 投与群で-1.2 日 (95% 信頼区間 [CI], -1.8~-0.6), 30 mg 投与群で-1.4 日 (95% CI, -1.9~-0.8)、60 mg 投与群で-1.7 日(95% CI, -2.3~-1.2) (P<0.001, 全ての実薬投与群 におけるプラセボ群との比較)であった。副次評価項目では、10 mg 投与群での AIM-D のスコアを除くと、全ての 項目においてプラセボ投与群に比較して実薬投与群で良好な結果が得られた。片頭痛日数がベースラインから 50%以上減少した患者の割合は、10 mg 投与群で 55.6%、30 mg 投与群で 58.7%、60 mg 投与群で 60.8% であり、プラセボ投与群の 29.0%に比較していずれの実薬投与群でも有意差が確認された (P<0.001)。最もよ く認められた有害事象は便秘であり、実薬投与群で 6.9~7.7%に認められた。さらに、悪心が実薬投与群で 4.4~ 6.1%に認められた。また、10 mg 投与群で、喘息と視神経炎が 1 例ずつ確認された。
    【結論・コメント】 本研究によって、atogepant の反復性片頭痛患者に対する予防治療薬としての有効性と安全性 が再確認された。同薬が、CGRP 関連抗体薬や CGRP 受容体拮抗薬 rimegepant に加えて片頭痛予防薬の新た な選択肢として実臨床に供されることを期待したい。

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